海に近い水族館は清々しく、心が晴れた。

はじめは芳雄への罪悪感があったのだが、いつしか不思議なくらい感じられなくなった。


帰りの車内でも見た魚やショーの話で盛り上がり、退屈な時間はなかった。


そういえば。
茉莉花はふと疑問を口にした。


「そういえば、なんで家がわかったの?」

「篠原さんの家の場所?
こないだ飲み会で送って行ったから。」

「あっ…、そうだったよね。」


茉莉花はあの日のことを思い出した。