今日に限って、色々な雑務に追い立てられ、忙しかった。


茉莉花は加藤にメールする間もなく、芳雄に電話が取れなかったことに対するフォローのメールをすることもできずに、珍しく残業した。


へとへとになりながらも、芳雄に連絡しようと、携帯を探して鞄をまさぐりながら会社のビルから出た。


と、そこに、加藤の背中が見えた。


あっ


「加藤君!」