茉莉花と真紀は、ウィンドウショッピングを楽しみながら、堂島達と約束の店に着いた。

どうせ堂島達は定時で上がれないため、遅めに時間を設定したが、まだ連絡はない。


芳雄からも連絡はない。


最近の芳雄は何か不機嫌だ。

電話しても苛々と、すぐ電話を切りたがる。


仕事で疲れてるのかも知れない。

以前は芳雄ともよく飲みに行ったが、最近はとんと来ていない。


「茉莉花、何飲む?みんなが来るまで先はじめてよう?」


真紀が言う。


「あ…、うん。」


促されてメニューを見る。


「わたしはビールにする。ここ、素敵なお店ね。はじめて来た。堂島君が決めたの?」


真紀が周りを見回しながら聞く。


「さあ…わかんない。てか、ワインがたくさんあるのね。わたし、このカリフォルニアの白にしようかな。」


真紀が店員を呼んでくれる。