乾燥パスタを湯へ入れ、タイマーをセットすると、冷凍庫から料理に使いやすく予めカットされたイカやタコの冷凍パックを取り出し、必要な分炒める。

オイルと塩でささっと味付けし、瓶入りパセリをふりかけ、あっという間に夕食ができる。


それをテレビの前の小さなテーブルへ、缶ビールと並べる。


今日茉莉花には特に連絡をしていない。

茉莉花からも来ていなかった。


結婚したら、こんなふうに自分で料理することはなくなるのだろうか…と考えてみる。

凝り性な芳雄は、気に入ったメニューを食べ続けることがままあった。

このイカとタコのパスタだって、家で食事する時はここ1か月くらい食べ続けている。

きっと、ひとりじゃなくなればそういうこともなくなるんだろうと思う。


これから俺達はどうなっていくんだろう。


考えれば考えるほど面倒になって、ぶるぶると頭を振った。

そして、今まさに取り掛かっているパスタとビールに集中することにした。