7年目の浮気

「で、結婚しようって?」

「そう。」

「なんか、真紀らしくない。
それに、今の話だと急いで結婚する理由はないよね?」


真紀は更に言いづらそうに顔をしかめた。


「わたしだって、最初はいきなり結婚なんて、って思ったわよ。
だけど彼が、早く結婚しないと、できちゃった婚になるかも知れない。
それは嫌だろ?って言って…。」


茉莉花は目を丸くした。


「すごい、西野くん。」

「何感心してんのよ。
確かに避妊してなかった。
だけどそんな危険な日でもなかったし、そこまで深刻に考えてなかった。
そんな簡単にできないって考えは浅はかかもしれないけど、まあその時に考えようと思ったの。
彼にも言った。
今すぐ責任とれとか思ってないし!って。

だけどさっきの通り。
俺は本気だ、すぐ結婚しよう!って。

負けたわ。」


「そうだったんだ…。」


茉莉花が西野との話に感心していると、真紀がお酒のおかわりを頼み、続けた。

「ねぇ、茉莉花。」