7年目の浮気

「彼が、しようって言うから、」

「それにしたって急すぎるでしょ。
付き合ってもいなかったのにいきなり結婚なんて。」

「…理由があるのよ、」

「何よ、理由って?西野くん、転勤でもするの?」


転勤と言いながら加藤を思いだし、一人で慌てる。


「そうじゃないけど…、ああ、もっと酔わないとこんな話、しづらくて仕方ないわ。」


真紀は梅酒をロックで飲み干した。


「あの夜ね、」

「あの夜?真紀が西野くんを送って行った夜?」

「そう。彼、酔っ払ってて、家を聞いても全く答えない。
堂島もさっさと帰っちゃうし、仕方ないから家に連れて帰ったの。」

「真紀の家に?」

「そう、家で一応上着だけ脱がせでソファに寝かせて、わたしはシャワーを浴びた。

そして、出たら彼、起きてて…。


まあ早い話がしちゃったの。その後。」


「え?それで?」


「わたしも別に付き合ってる人もいないし、まあいいかって思って、そんなに深く考えてなかった。

だけど彼が、翌日言うの。

酔ってたけど、本気だって。
それで。」