7年目の浮気

嫌な予感がする。


「試すって、何を。」

「久保田さん、わたしとしてみたくないですか?」


口をつけたビールを吐き出しそうになる。


「何を…、」


こんなことを言われたのははじめてだ。

何て言っていいかわからない。


「久保田さん、わたし、本気です。」


香織はまさか酔ってはいないだろう。

芳雄はフル回転でこのピンチをどう切り抜けるか考えていた。