「芳雄!」 「茉莉花、早かったな。」 「うん、割と近くに居たから。」 「じゃあ、行こうぜ。」 芳雄と並んで歩く。 人混みにはぐれないように、芳雄の腕をとった。 会いたかった。 やっぱり、会いたかった。 近づくと、いつもの香水の香り。 芳雄が好んでつけている、女の子みたいなバニラの香り…。