芳雄は決まった休みのない仕事をしていた。

繁忙期はなかなか休めないこともある。

忙しい日々の中で、ぽっかり休みがあると、休みの日を何をしたらいいのかよくわからないまま終えてしまう。


芳雄は思った。

よく考えれば、早く茉莉花を誘って一緒にぶらぶらすれば良かった。

それに、もうすぐあいつの誕生日だ。

何か欲しいものがあれば、買ってやるのに。

でもあいつは、何か欲しいとは言わないんだ。

いつも何もいらないって言う。

だから俺があいつに似合いそうなものをプレゼントする。

だけど、あいつが本当に喜んでくれているかはわからない。

あいつはいつも嬉しいと言うし、何をしても、何を食べても大抵美味しいと言うんだ。