7年目の浮気

山本が差し出したグラスの、キレイに縁取られたソルトを見つめた。

ソルティドックが飲みたくなったのは、泣いたせいかもしれない。

あんな風に涙を流したのはどれくらいぶりだろうか。


「山本さん、」

「はい?」

「加藤君て、どんな人?」

「そうだな、頭のいい奴、かな。
勉強ができるとか、そういう意味じゃなくて、賢い奴だと思うよ。
…マリカちゃんは、真面目なんだね。」

「…真面目。

あのね、山本さん。」