〜Princess〜
「うおっ!あんな所に木の実があるぅ!」
あたしは荷台から飛び降りた。
「お嬢!走っている最中に降りたら危ないですよ!」
案の定、着地からよろめき、ヒカルが支えてくれた。
「ちょっと木の実を取ってくる!」
あたしはそのまま赤い木の実が生っているほうへ走りだした。
「うおぉ、うまそう!」
あたしは背伸びをして
木になる赤い木の実を取った。
「タスケの実かぁ〜。」
ヒロはあたしより高いところの実を取って言った。
「タスケの実?」
さすがのヒカルも顔をハテナにする。
「これ、体力回復に良い薬なんだ。」
へぇ〜!とあたしは感心して
実の皮を剥こうとしたけど
「皮、固い〜」
「ハハッ。おまけに食べれる部分が小さいぞ。
その分、栄養が凝縮されているって事だがな。」
ヒロは笑ってあたしの頭を撫でる。
「おめぇ〜ら、早くしろ〜!」
トラックからユウが叫ぶ。
「何あいつピリピリしてんだ?」
「お嬢、ユウ兄は大切な人を誘拐されたんですよ。」
「あいつこそピリピリしすぎて
体力消耗しそうだな。」
3人で笑った。
そして、人売りの車でグーナル町に向かった。