「あーもー。このタイミングで言うつもりなかったのに…てか、朱香ちゃんは?俺のことどう思ってるの?」
「どうって……。それは…。」
雨原くんはいきおいよく聞いてきた。
もちろん答えなんて決まってる。
でも言えない。
―ガラッ…。
そんな時、突然教室のドアが開いた。
覗き込んだのは警備員さんだ。
「まだいたのかい?暗いとこで何してるの?もう帰りなさい。」
そう言って去って行った。
実は警備員さんが来るのは本日二回目。
それを見た雨原くんはため息混じりに言った。
「…ふぅ。とりあえず帰る?もう9時だし。とりあえず会わないとかなしね。」
「うん…。」
そう言って二人教室を出た。