絶対おかしい…。
もう嘘は付けない。



アトリエに戻った私は今朝のことを反芻しながら思った。

『彼を好きなんだ。』



結局、理学部棟から移動して、いつもの場所で、また近付きすぎてしまった。
今朝走ったのもそのせいだ。
彼がどう想おうと彼が好き。
それが答えだった。





だから。





小川さんとは付き合えない。
でも雨原くんともこのままではいられない。



ひっそり独りで思えばいい、そう思った。