それから30分。
マジで来た…。
彼女のアトリエで二人っきり…。
ホントにココアを入れてもらった。

しかもなんでかちょっと彼女が優しい…。



「ねむー。」

「眠いなら寝なさい。」

「うー。このそふぁー固いー。」

「はいはい。そんな眠いんならクッションとタオルケット貸してあげようか?」

と言いながら溜息混じりにクッションとタオルケットをくれる。
バイト中なら間違いなく怒るのに…
てか普通、シャキッとしろって怒る人の方が多いと思う。



(…つか、マジで眠いな。)



せっかくクッション借りたし、ちょっと寝たフリ。
気にせず彼女は黙々と絵を描いてる。
鉛筆の音と雨の音。
こんな時間がずっと続けばいいのに。





しばらく絵を描いていた彼女の手が止まる。



カシャッ。



(…え?)
携帯のカメラ音。
まさかの隠し撮り?

薄目でチラッと覗いた彼女は楽しそうな顔をしていた。