私には、幼稚園の頃から仲が良かった女の子がいた。
親友とは少し違う。
付き合いが長いせいか、まるで姉妹か親戚みたいな仲だった。
だけど、私たちの仲は小六で壊れた。
私たちは、同じ男の子に恋をしたのだ。
男子は足さえ速ければモテてしまう当時。
私たちが好きになったのは柔和な男の子だった。
でも、私は誰にも自分の気持ちを言わなかった。
あの頃は付き合うということの意味もよくわからなかったし、友達でいられたらそれだけで充分だと思ったから。
何より、彼女を応援したかった。
彼女の方が、ずっと大切だった。



