クラス中が二人に注目する。 教室は静まり返っていた。 「ま、真陽」 焦った。 嬉しいけれど、私が泣いたのは矢澤君のせいではないからだ。 「矢澤君は関係ないから……」 真陽が私を見た。 「水雫、ほんと?」 「うん……。それにもう大丈夫だし」 私が話し始めて、今度はこちらに視線が集中する。 真陽は矢澤君を少し睨むと、自分の席についた。