「『水の雫』って何て読むんだ?」 ビクッとして振り返ると、声の主と思われる男子と目が合った。 驚き慌てて目を逸らす。 「真陽行こ」 手を引っ張ってその人だかりを抜け出した。 「どした?急に」 真陽が尋ねる。 「ごめん引っ張って。 息苦しくてさ」 私はチラッとさっきの人を見た。 まだこちらを見ていた。 「外寒いよ。早く教室いこ」 真陽がタイミングよく言ってくれたので、私たちは教室へと走って行った。