矢澤君の顔を窺がう。 目が合うと矢澤君はなんと口を開いた。 「なんで?」 私は驚いて周囲を見回した。 幸いこちらを見ている人はいなかった。 急いで書く。 『聞かれたくなくて書いてるんだから喋らないでよ』 矢澤君の方を向くと、明らかに不機嫌そうな、怒っているような表情だった。