「ゆなー」 しかし、ほんの数十秒で意識は引き戻されてしまった。 「……」 寝たふりをしてみる。 「ゆな、ゆーな」 「……」 居たたまれなくなって、伏せていた上体を起こした。 呼び捨てで連呼されるのは、昨日の今日で誤解を生みそうで嫌だった。 「……なに」