ぎゅっ、と目を閉じるのと、 「はぁ??」 という凱の言葉が上から降ってくるのとほぼ同時だった。 え? 「サキ?サキのこと、言ってんの?」 「う、うん……」 「絶対ないから、そんなの」 「え?だって……」 あの時、キス、してたんだもん。 私、見たんだもん。 「凱とサキちゃん…キス、してたでしょ……?」 「あ?いつ?」 「……花火大会の時…」 なんだか拍子が抜けて、ぽろぽろと言葉がこぼれてゆく。 「花火大会……あぁ、あれか」