酷い…‥?





それは綾に対してなのか、芽衣に対してなのか…




バカな俺はまだ理解できてなかった





「芽衣‥綾から何か言われたのか?」


「…‥言われてないよ。綾さんは私が壮介の彼女だって知らないもん。だから綾さんは話してくれた。きっと我慢してたものを、他人でもいいから聞いてほしかったんだと思う」



「さっきから綾が我慢してたとか、爆発したとか、俺が酷いとかさ、…悪いけど話しがつかめないんだよな‥」



バカだよ俺は



こんなこと言ってしまう俺はバカだ




でも、芽衣が話すことをきちんと理解したいから言ったまでで



綾と会って芽衣に何があったのか知りたい…、というか、こんな真剣な芽衣は始めてだから余計気になる




「………」




芽衣が黙り込んでしまった



「芽衣?」



「綾さんのこと分かった?」

「え?」


「綾さんの気持ちは理解できた?つかめた?」



「え…」




なんなんだ…



急にどうした?




「綾さんがどれだけ壮介のことを想い続けてきたか分かる?好きでもない人と結婚させられて、好きな人には離されて…そんな‥そんな辛くて苦しくて、なによりも大きな傷を抱えてしまった綾さんを癒してあげたいとか、守ってあげたいとか壮介は思わないの?」




綾を癒す?



綾を守る?




綾の事情は分かったよ


綾との間にあった壁は薄かった



俺がぶち抜けば届いてた存在だったんだ



差し掛けた手をそのまま信じればよかった…




……‥。




でも今は





俺には芽衣がいるじゃねぇか




芽衣、なんで綾のことをそんなに必死になって話すんだよ



俺はもう綾じゃなくて、お前しかいらねぇんだよ



芽衣と出会って、俺は変わった



それぐらい俺の中は芽衣でいっぱいなんだよ





「私は邪魔物なの」









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