狂者の正しい愛し方



机の上の、薬に目を向ける。


「……もうこれも、必要ないだろう……。」



その言葉を合図に、

新山は立ち上がった。

サイドテーブルを蹴り倒すほどの勢いで。


「晴姫……っ、晴姫…!!!」


焦点の合わない目で天井を…晴姫のいる方向を見上げ、

引き寄せられるようにこちらに向かって走ってきた。


「晴姫……っ!!」


すっと体をどければ、新山は廊下に飛び出し、そのまま二階への階段を駆け上っていった。

晴姫の部屋に行くために。
晴姫に会いにいくために。


「本当に、反吐が出る。」