恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい!!
なんのアクションも見せない海に美奈子の『不能』の言葉が頭を掠める。
いや、もしかしたらはしたない子って思われたかも…
「…ごめ、なさ!?」
「なんつー格好してんの…」
堪えられなかった涙は落ちることなく、優しい胸に吸い込まれていった。
力強く抱きしめられ、うなじに海の熱い息がかかる。
「こんな震えて!!…無理すんなよ」
「だって…わた、し」
「…せっかく我慢してたのに。」
「え?」
掠れた声が頭の後ろから聞こえる。
でも私はその意味を理解できない。
「初めて…だろ?優しく、いい体験にして、やりたかったのに」
絞りだすような声に海の優しさが心にジンとしみる。
「私…海に嫌われてるんじゃないかって」
「そんな訳、ない。バカだな。」
「私…海ならいいの。初めても最後も…全部全部海とがいい…」
「っつ!!優しく、してやれないっ!!」

