らぶ☆でり~恋を運んでおにーさん~



恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい!!

なんのアクションも見せない海に美奈子の『不能』の言葉が頭を掠める。

いや、もしかしたらはしたない子って思われたかも…

「…ごめ、なさ!?」

「なんつー格好してんの…」

堪えられなかった涙は落ちることなく、優しい胸に吸い込まれていった。

力強く抱きしめられ、うなじに海の熱い息がかかる。


「こんな震えて!!…無理すんなよ」

「だって…わた、し」

「…せっかく我慢してたのに。」

「え?」

掠れた声が頭の後ろから聞こえる。
でも私はその意味を理解できない。

「初めて…だろ?優しく、いい体験にして、やりたかったのに」

絞りだすような声に海の優しさが心にジンとしみる。

「私…海に嫌われてるんじゃないかって」

「そんな訳、ない。バカだな。」

「私…海ならいいの。初めても最後も…全部全部海とがいい…」


「っつ!!優しく、してやれないっ!!」