→続き このみside



「ダメ、だった」


肩を落とし、しょんぼりとするこのみの前にで、美奈子が一つため息をついた。


最近あまりに思いつめた顔をしているこのみの固い口を割らせたのはつい先日のことだった。



悩みの内容はこうだ。


「海が手を出してこない」


うん。重要な問題である。


しかもたちの悪いことにこのみは1人でうだうだ悩む間にそれは自分がこの年になってまで処女であることが原因だと思っていた。

面倒だと思われるかも…と。

そんな事はないのだと美奈子は何度も諭したが、このみは聞かなかった。


で、美奈子はこのみに指令をだした。


海に対するタッチを増やすこと。

上目使いで話すこと。

海の目を見つめること。などなど…


しかしことごとく失敗し、そのたびにベコベコにへこむこのみの姿に美奈子は最後の指令を出すことにした。



「いい、このみ。恥ずかしいなんていったらだめよ。これがだめだったら…」


「だめだったら…?」


「水無瀬さんは不能よ」


「ふふふ不能!?」


「いいから。はい聞いて…」






「えーーーーーーーー!!!!無理だよ無理。ぜったぁい無理!!!!」


「無理じゃない!!行ってこぉぉおいっ!!!!」


「いゃぁぁぁああああ!!!!」


→続く