『初体験』


このみと付き合い初めて3ヶ月がたとうとしていた。


俺、水無瀬 海(25)は今大きな悩みを抱えている。


それは


「ねー海?」

季節は夏。このみはロンTにショートパンツ、ニーハイという出で立ちで海の部屋にいた。


呼ばれてこのみの方を見てばれないように小さなため息をついた。


ペタンと床に座るこのみのTシャツからでたナマ足とニーハイの加減が、こう…。

顔をちょっと傾げた幼い様子がその格好とアンバランスで更に海の悩みを深くした。

海だって25だ。それなりに経験だってある。


ただ、このみとつきあってから、どうもその経験が反映されないのである。


ここまで天然、無自覚なこのみにどうも振り回されて、なかなかキス以上に踏み込めないでいた。



「最近授業でソフトボールしたら肩いたいのっ、腕あがんなくて…ちょっと揉んで?」

海のシャツを両手でつまみ、申し訳なさそうな顔で上目使い。発言すら危うく聞こえて海はめまいがした。


海だって健康な男子、我慢も限界ってもんがある。


しかも最近このみからのタッチが多いような気がして、海の理性はチリチリに焼けてもう切れかけていた。




そして踏み込めないでいるもう一つ理由があった。


このみが多分処女だってこと。


別にそんなのは気にしないが、せっかくだからいい思い出にのこるような初体験にしてあげたい。


そうおもうと海の手はなかなかでてこようとしなかった。




海はちぎれかけた理性をなんとかつなぎ止め、このみの白く細いうなじをなるべく視界にいれないように、小さな小さな肩をもみはじめた。




→続く