√番外編作品集

雪が今にも降りそうな天候だった。

ぐずついた空、灰色の雲は機嫌がいいとは言い難い。

楽しかった文化祭は終わり

風邪が流行り休校があったり、部活の引き継ぎがあったりとあわただしく日々が過ぎていった。


冬休みだけが楽しみだった。


今目前にぶら下がっている期末考査に関しては、目を閉じてダッシュして乗り切りたい。

目を閉じて走れば、それはそれは恐ろしい結果がやってくるのも分かっているのだが。

「やる気でなーい……早く冬休みなって」

気怠い仕草で教科書をめくる。

復習の「ふ」の字もスタートできていなかった。

──だから、ちょっと勉強はやめてマンガ……

敦子が机の上に広がる参考書とノートを押しのけて、書棚に手を伸ばしたその時。

サイドテーブルに置いていたケータイが振動した。

──誰だろう。

ケータイのサブウィンドウを見ると、「着信:堀口俊彦」の表示。

数ヶ月ぶりに見る名前だった。


「もしもーし、敦子でーす!」