√番外編作品集

後輩3人──潤、千恵、そして潤たちが生活する二条西高校を回りながら、千恵と潤の所属する「2年B組」を覗く。

秋空が風邪でもひいて熱でも出したのかと思うほどの晴天に

模擬喫茶店を開いていた「2年B組」は繁盛していた。

敦子は「ホスト最悪」と酷評していたが、教室の中央に飾られているシャンパンタワーはすばらしかった。

保護者たちもシャンパンタワー前で写真を撮るなど、まるで観光名所のようになっていた。

「敦ちゃんも抜け目ないねぇ、堀口さん呼ぶなんて」

潤のクラスメイト河田康平が席についた俊彦に声をかけてくる。

「敦子も手が開いたら来てくれるって」

「どーせ、黒沢独り占めしたいんだろ。ハイハイ!」

康平は分かりきったことだといいながら、他クラスの模擬店のチラシを俊彦に渡して席を替えた。

敦子の「潤好き」はよく知れたことなのだな、と俊彦がポカンとしているとその横顔をじっと千恵は見つめた。

「立幸館の文化祭は終わっちゃいましたけど、立幸館って冬フェスありますよね」

「よく知ってるな。まぁ、PTAのバザーみたいなお祭りだけどね。文化系の部活の3年の卒業イベントみたくなってるよ」

「堀口さん、吹奏楽部ですよね、冬フェスではなにか発表とかするんですか?」

「するよ、演奏会があるから今度チケット渡すよ」

俊彦と千恵が和やかに話す間も潤は黙々とオレンジジュースを飲み続けている。

血液がオレンジジュースになっているんじゃないかと康平が潤のオレンジジュース好きを評したことがあるが、今日は本当にそのくらいの勢いだった。