家に帰っても独り。

それが日常だった。





「おかえり」

そう笑顔で迎えたのは利世だった。

「・・・利世?」

「そうだよ?驚いてる?」


『おかえり』


言って貰えたの、何年ぶりだろう。

親が居るときだって言って貰えたこと、無かった。

「ただいま」

笑顔で返した。

それしかすることが無い。

それしか・・・出来ないから。


「明日から通える?」

「んー・・・・どうだろう。」

私は少し俯いた。

頭に雪夫さんのことが過ぎったから。

そんな私の気持ちを察した利世は

「大丈夫。」

と言って私の手を握った。

とたんに涙が溢れ出してきて、利世の胸に飛び込んだ。



「・・・・・・・・・ご・・・・めん。」





「いいよ。仕方が無いよ。」

頭を撫でながら、ゆっくり言ってくれた。