「ここは、花魁専用。限られた人間しか入れない庭さ。」










雪洞は、3人を今までよく訪れていた庭に通した。









禿・新造時代は、花魁凪雛との関係が濃厚だったため、幼き頃からこの庭を訪れることができたのだ。









「お藤。」









雪洞は、愛らしい黒猫を呼んだ。









黒猫は、ゴロゴロと鳴いて、座った雪洞の膝に蹲った。









「松。話しておくれ。千寿はどうしたんだい?」










松は、桃の隣にちょこんと座った。









「最近・・・姐さんの処に、安原様が全くいらっしゃらないんです。」