すごい驚いてる壱樹をほっといて、
あたしはベッドから降りて、保健の先生に話しかけた。


「先生、あたし早退する~っ」


「…じゃあ担任の先生に知らせて、来てもらうことになるけど……。
それでも良いの?」


「……えーっ!
先生の鬼ーっ」


「ふふふっ、何言ってるの~授業は出なきゃダメよー」


「えーっ」


「あっ!わかった、世莉ちゃん、担任の先生のことあまり期待してないんでしょー?」


「……いや、そういうわけじゃないんですけど」


「すっごいかっこいい先生だったわー。
先生もあと5歳くらい若かったら今の旦那、諦めてたわー」


「そうなんですか…」


もう保健の詩織[シオリ]先生は
いつまでたっても若いんだから。


「あら、もうそろそろチャイムが鳴る頃ね。
ほらさっさと教室戻りなさい。
まったくもう…、世莉ちゃん顔色良いみたいだし教室戻れるわよね?」


「はい」
「えーっ」


あたし、保健室の先生と仲良しなんだ♪
だから先生に名前で呼ばれてるの!

少しだけ優越感。


まあ、他にも仲良い生徒はいるだろうけど……