改札を抜けて、美樹がいるかを確認してたら
他の人に話し掛けられたんだ。


「よ~、世莉」


「――誰っ!?
…あ…。なんだ、壱樹[イツキ]だったの」


壱樹は、一年のときから同じクラスでいつも一緒にいたグループの中の一人。
男のくせにめっちゃ話しやすくてめっちゃ良いやつで、みんなから好かれてた人なんだぁ…。


「わりぃわりぃ、驚かしたか?」


「…大丈夫っ!壱樹は誰か待ってたり?」


「まーそんなとこ。
世莉は美樹待ち?」


「よくわかったね。
でも美樹、見当たらないんだよねー」


「そうなんだ?
あ、そーいや俺さっき美樹見たよ?あれ美樹じゃねーの?」


「え?あ。ホントだ~。
壱樹ありがと!」


「いーえ。じゃあまた学校でな~」


「うん、また学校でっ」