薄暗い路地で車を停め、音楽を消した。 「俺は、君を温める手になりたい」 心からそう思う。 それなのに、俺の言葉を『お別れ』の挨拶だと思ったの? 「ありがとう。一生忘れない」 涙を浮かべた平野さんは、一生のお別れのような寂しい顔をした。 それ以上何も言えない俺の代わりに平野さんはたくさん話してくれた。 沈黙を避けていたのかも知れない。 「嬉しいけど、やっぱり無理です」