助手席に座る平野さんに手を伸ばしたくなる。 でも、我慢我慢。 「正直に答えて。平野さん、彼氏いるんでしょ?」 何となくわかっていた。 彼氏がいる。 でも、俺に惹かれている。 「腰、使うなよ。できれば一生」 俺が正式に迎えに行くまで、誰とも体の関係にならないで。 誰にも心を許さないで。 「そんなの無理か…… でも、悔しいな。俺のものにはできない」