「だって、あのコンビニで待ってたから。会えなかったらどうしようって思ったら、走ってた。でも痛くないから大丈夫……です」 抱きしめたい。 かわいいよ。 俺に会いたくて、走ったの? 腰の痛さも忘れて無我夢中で俺を追ったのか? 「本命だって思っていいの?」 素直じゃない平野さんはまた嘘をつく。 「お世話になったお礼です」 嘘だ。 君は俺に惚れている。 「素直になれよ」 一瞬見せた恥ずかしそうな表情を隠そうと強がる平野さんを…… 俺は抱きしめてしまった。