別れがたい。 ずっと一緒にいたい。 でも時間が過ぎていく。 「本当ならこのまま君を連れ去りたい気分」 帰り道、俺はそんなことを言ってしまった。 何も言わない平野さん。 表情が気持ちを表していた。 同じなのか? 俺と同じ気持ち……だろ? 「辛いな」 俺の言葉に、少しうなづいた平野さんを抱きしめたい衝動にかられた。 肩が触れた。 帰したくないよ。 ずっと俺の隣にいてくれないか。 言いたいけど、言えない。