飲みに行くと、3回に1回は、雅也さんが合流するようになった。


私は、雅也さんが来るとわかると絶対に化粧直しをしてしまう。


香織先輩は全く気付いていないようだった。



別に、変な気持ちはない。


ただ、あまりにも好みの男性だから……

かわいく見られたいなぁって思うだけ。



先輩の彼氏を奪おうなんて考えてないもん。


そこまで私、バカじゃない。



ただ、密かに憧れているくらいなら許されるよね。




「よぉ、恵理ちゃん。今日もかわいいね~」


1ヶ月ぶりに会う雅也さんは、髪を短く切っていて、また素敵に見えた。


私好みの顔が、はっきり見えるから前髪が短い方がいい。


「雅也さん、先輩のこと大事にしてくださいよ~」



酔ったフリして。

雅也さんの肩に触れてみた。



こんなにもドキドキするって最近あんまりなかった。

これは……

何年ぶりかのミラクルドキドキ。



雅也さんに触れた私の手は、魔法にかかったように温かくその部分だけが熱を持ったままだった。