「恵理ちゃんって言うんだ。俺、雅也!よろしく」 右手を私の顔の前に差し出したその人は、長めの髪をかきあげた。 ドキっとした。 モロ、好みの顔だった。 さっきまではあまりじっくり顔を見ていなかった。 アイドル系の目、 スラっとした鼻、 分厚い唇。 濃い顔が好きな私には、たまらない顔立ち。 それに声も。 顔から想像する声とは違って、少し高めの声。 甘えたような声が耳に残る。