「どうしたんだ?由美子!!」



白衣を着た仁は、やっぱり素敵で、手放すのは惜しいと感じてしまう。



同じ職場に仁のような男性がいたら、誰でも好きになってしまうよね。



私は、受付の女性に言った。




「私、仁の婚約者なんです」



受付の女性は、頭を下げて、部屋から出て行った。




「どうしたんだ?急に。あの子にああいうこと言うと厄介なんだけど……」



仁は小声でそう言って、受付の女性が出ていった扉を指差した。




「あの子なのね。仁の新しい彼女って」



「は?何誤解してるんだ?彼女は、ただの同僚で、そういう関係じゃない。ただ、俺に好意を持ってくれているようだから…… 君が婚約者だとか言うと混乱するんだよ」