ホワイトデー。

3月14日。


深夜の12時を回った。


俺は、鍵を閉めて、病院を出た。




香織は来なかった。



何を信じていいのかわからない。


香織は自分の意思で、ここへ来なかったのだろうか。


それとも、あの後輩は俺の気持ちを香織に伝えていないのだろうか。





わからない。


ただ、寂しくて、悲しくて……



空しい。






心がからっぽになるような感じと言うのか。


車に乗り、窓を開け、車を走らせた。




行くあてもなくドライブして、俺は自分の気持ちと向き合った。