今日は、子宮癌検査のため、産婦人科へ来ていた。


幸せそうな妊婦さんの姿が目につく。



゙流産してからもう、一年がたつんだな…。″



゙いいな。幸せそうで…″


「杉田さーん。」



「はーい。」



私は、内診をしてもらうと、診察室へ入った。



先生が、難しそうな顔をしている。



「杉田さん。」



「はい。」



゙なんか、異常あったのかな……″



「まだ、気づいてないと思うけど、妊娠してますよ。」



「えっ!?マジですか!?」



医師からの、予想外の言葉に絶句する私。



゙私が妊娠!?″



゙この医者何言ってんの!?″



事態を飲み込めないでいる私に、医師は、超音波写真を見せてきた。



「まだ、小さいけど、赤ちゃんの袋が写ってるでしょう。」



「は…い。何かありますけど……。」



「赤ちゃんよ。」



「………………。」



赤ちゃん……………。



言葉が出ない。



現実を受け入れるのには、時間がかかった。



「彼氏と相談して、また来なさい。」



「はい………。」



私は、診察室を後にした。


車に乗ると、



゙どうしよう……。″



超音波写真を片手に、考え込んだ。



絶対に、健の子供ではない。



健とは、体の関係を持っていない。



100%、レイの子だ。



゙それにしても、私って、ホントできやすいな…。″


頭の中は、パニックだった。



でも、一つだけ、決めてたコトがある。



それは、『次、妊娠したら、絶対産もう。』



流産した時に決めていた。


だから、誰になんと言われようと、この子を産むよ。