「話しかけてみれば?」 陽はそう言っていたけど実際はそんなことできなかった 俺の中で女は俺を見てキャーキャー言う生物だと思っていた そこまでいかなくても、振り返るくらいのことはする生物だとも思っていた でも彼女は違った 俺とすれ違っても振り返るどころか興味すら示さなかった こんなことは初めてで、女なんて俺が一声かければ寄ってくるって考えが見事に崩れさった 彼女の名前が“美桜”って知るのも何故か苦労した ほんと不思議なやつだ