自転車をこいで帰る女の子たちと、すれ違った。




可愛いなぁ…




今の子たちは、私たちの時代よりオシャレ。




卒業して、17年も経つんだ。




オバさんになっちゃったなー… ははっ…。








『コロコロ…』




目の前に、何かが転がって来た。




拾い上げると、野球のボール。






「すみませーん!」



ユニフォームを着た男の子が、頭を下げながら走ってくる。





「はい。」



その子にボールを手渡すと




「…石川先生…すか?」




そう声をかけられ、改めて男の子の顔を見た。





「…タカヒロ…くん?」




「はい! 先生、お久しぶりです!」



「うわーっ! 分からなかったよ! 大きくなったね!」





目の前でニコニコ笑う、真っ黒に日焼けした少年。




小学生の頃、身体が弱くて入退院を繰り返してた子だった。