お茶を片手にあの蒸し暑い体育館に戻った。
誰もあたしたちが抜けた事に気付いていないのか、体育館でドリブルしたりシュートしたり……
抜ける前と全く変わっていなかった。
「コラーッ!
もっと腰を低くしろ」
顧問の先生の怒鳴り声が体育館イッパイに響く。
「んじゃ、俺練習戻るわ」
「サボるなよー」
「あっ…」
シュートの練習をしている輪に戻ろうとした桐谷が振り返りポケットから何かを取り出した。
「これ持っていて」
そう言って、ホイッと何かを投げた。
『何か』はきれいなアーチを描き、あたしの手の中に収まった。
手の中に収まったモノ……
「50円かよ…」
さっきのお釣りだろうと思われる、50円。
桐谷の温かさが残る50円。
「あたしも仕事しよー」
さっきの桐谷の励ましか分からないけど、仕事に対する意欲が変わった。
みんなの為に頑張ろう。
誰もあたしたちが抜けた事に気付いていないのか、体育館でドリブルしたりシュートしたり……
抜ける前と全く変わっていなかった。
「コラーッ!
もっと腰を低くしろ」
顧問の先生の怒鳴り声が体育館イッパイに響く。
「んじゃ、俺練習戻るわ」
「サボるなよー」
「あっ…」
シュートの練習をしている輪に戻ろうとした桐谷が振り返りポケットから何かを取り出した。
「これ持っていて」
そう言って、ホイッと何かを投げた。
『何か』はきれいなアーチを描き、あたしの手の中に収まった。
手の中に収まったモノ……
「50円かよ…」
さっきのお釣りだろうと思われる、50円。
桐谷の温かさが残る50円。
「あたしも仕事しよー」
さっきの桐谷の励ましか分からないけど、仕事に対する意欲が変わった。
みんなの為に頑張ろう。