入学してから二日目。
もっと楽しくなるはずだった。
でも心は重い。
朝起きて、しばらくは頭が働かなかった。
『雅?ワックスなくなったからワックス貸して』
こうノックもせずに部屋に入ってきたのは美月だ。
部屋を明るくして、スタンドミラーの近くに置いてあるワックスを物色する。
相変わらずかっこいい美月。
もし俺が美月だったら美加は俺をずっと好きでいてくれるかな?なんて美月を見ながら考えていたら、美月が俺の視線を感じとった。
『…なに?』
『いや、別に…あのさ、美月?』
視線を徐々に下げていき、美月に質問をする。
『なんだよ?』
『恋って難しいよな』
俺がこう言った瞬間、美月は目を丸くさせ、驚いた表情を見せた。
また笑われるのだろうと思い、期待した返事を待たない俺。
だが美月はいきなり真剣な顔をして俺を見てきた。


