だから俺は大好きなオレンジジュースを頼むことにした。
これくらいなら喉に通るだろう。

さくらはグレープフルーツジュースを頼む。
その2つの商品は直ぐに来て、テーブルの上に鮮やかなオレンジ色と、淡い黄色が並べられた。


『で?どうかした?』


ひんやりと冷えたオレンジジュースを一口飲み、さくらを見る。
さくらはクルクルとグレープフルーツジュースに入っている氷で遊んでいた。


『さくらね?小さい頃からヒカルのこと好きなんだぁ…』


突然言われて俺の口からオレンジジュースが吹き飛びそうになった。
だが心の中では『やっぱり』と思っている自分もいる。

教室で言われた時から何となく気付いていた。
さくらはヒカルが好きなんだろうと。

昔俺はさくらが好きだった。
でも成長した今、さくらがヒカルのことを好きでも、俺はなんとも思わないでいた。


気持ちって不思議なんだな。