そんな過去を思い出したら、何故か笑えてきてしまって、ついつい笑ってしまった。
『すげぇ懐かしいし!お前いつ帰ってきたんだよ?』
俺は笑いながらさくらに聞く。
さくらの笑顔は変わらない。
あの頃のままだった。
『中学まであっちにいて、春休みに帰ってきたの。さくら、ここが一番好きだなって思って!雅とヒカルもいるし!でもまさか同じ高校で同じクラスとは思わなかったよ』
さくらも笑いながら説明をしていく。
まるで空白だった時間を埋めるように。
今まであったことを俺達に永遠と話し続けた。
ヒカルの笑顔も久しぶりにみた気がする。
さくらがいなくなった時は、泣き喚いていたから。
ひょっとしたら、まだ好きなのかもしれない。
さくらがまだ好きだから、彼女を作らない、こう考えれば辻褄が合うような気がしたからだ。
俺はもうさくらのことは想っていない。
もう心には違う人がいるから。


