『…雅…ありがとう…話を聞いてくれて…』


美羽の体は思っていたより細くて華奢で…
小さな体で頑張ったね、と褒めてあげたい─…



『美羽…陸のお葬式にはちゃんと行った?』


美羽の話の中では明かされていなかったこと。
それは陸の葬式のことだ。

美羽は現実を受け止めて、陸とサヨナラを出来ただろうか?


俺の体から離れていく美羽。
そして俺を見上げた。
涙で潤んだ瞳は、透明な水より澄んでいて…
思わず見とれてしまう。

すると視線をずらして、美羽はこう小さく呟いた。


『…行ってない…サヨナラするのが怖かったの…』



『…え…、な…んで?』


こう聞くと、美羽は再び話し始めた。
永遠の別れをした後の話を。

美羽が話した内容はこうだった。


陸が亡くなったあと、葬式が行われた。
だが美羽は怖くて、陸がいなくなったと信じたくなくて行かなかったらしい。