なぁ…陸…
俺守りたいよ…

お前が愛した人を、
次は俺が愛したいよ…

ダメかな…

美羽を俺に任せてくれないか?


美羽は小さな体で、大きなものを背負いすぎている。
もし、俺がそれを半分背負ってあげることが出来たら、美羽は少しだけ楽になるんじゃないかな…

背負うよ…背負うから…

キミを抱きしめてもいいかな?


俺はゆっくりと両手を広げ、震える美羽を優しく包み込んだ。
びくっと反応する美羽の体。

嫌がるかな?という不安があったが、美羽は嫌がることなく、先程より大きな声を上げて泣いた。


『美羽…大丈夫だから。俺が美羽を守るから…』


人間はなんでこんなにも素直なのかな?
幸せにしたい人が目の前で泣いていたら、迷わず包み込んであげるだろう。


人間は素直だ。
素直じゃない人などいないはずだ。

きっと…。