信じたくない。
あたしは目をぎゅっと閉じて、恐る恐る目を開く。
だけど再び映った光景は先程となにも変わっていなくて…
次第に込み上げてくる涙。
陸は夕方まで部活だって言ってたじゃない…
なのに…何で?
なんで彼女の誕生日に他の女と一緒にいるの…
何を…信じたら…いいの?
ずっと一緒だよ…って誓ったじゃない…
あれは嘘?
じゃあ何が本当?
あたしは唇を噛み締めて、車の交通量が多い道路を渡る。
空っぽとなった心を抱いて、陸に気づいてもらいたくて…あたしの存在を。
陸は相変わらず京子との会話に夢中なようだ。
あたしと陸たちの距離は5メートルもないだろう。
渡り終え、あたしは2人をずっと見つめる。
瞳に涙を溜めて…
うかれていたあたしが馬鹿みたい…。
早く気付いてよ…


