少し早いが、待っていられず家を飛び出した。
ワンピースが気持ちよさそうに揺れる。
深く深呼吸をし、
世界を体全体で感じる。
『よし!』
大きく一歩を踏み出す。あたしは5時まで時間を潰そうと考えたのだ。
少し行けば繁華街になる。
そこを歩いて見て回ろうと思ったのだ。
この行為が悪かったのかな─…
久しぶりに繁華街に出たせいか、色々なものが売られていて楽しく感じてくる。
でもその楽しさは、
ある光景を見て、一瞬で消えていった─…
崩れ落ちる…。
『嘘でしょ…』
目の前に映る光景…。
『なんで…』
仲良く笑い合いながら、アクセサリーショップを出てくる二人の姿…
『どうして…』
信じていたのに…
裏切られた気分だ…
あたしの誕生日なのに…
目の前に映る光景は、
陸と京子の姿だった…


